リストラを言い渡されてから1日目。
奇しくもその日は、私と夫で(日本に)婚姻届を提出する日。リストラが尾を引いていて、これから婚姻届を提出するとは思えない顔で出発しました。
提出中に職業を書かなければならない項目に出くわす。リストラされた次の日の私の職業とは一体。
結論契約終了日までは雇用されているのだからな、と昨日までの職業を記入。複雑な気持ち。
婚姻届を提出後、15分ほどは幸福感を味わいましたが、「今日は、で?このあと、何をしたらいいんだ」という感情に飲まれていきました。
何をしたらいいかわからなすぎて、朝食も食べずに出てきたのに、何を食べたいかすらわからなくて、何を食べるかについて、婚姻届提出後、初の口論を夫とするはめに。
天気の非常によい日で、日向に出ると、幸せなような気分になりそうになるも、数秒後には仕事がないんだと動揺。とにかく、正常とは呼び難い精神状態だという自覚がありました。
家に帰って、悶々と現実に向かい合う心の準備はできていないな。という自己分析に基づき、街をぷらついて博物館へ向かうことに。(ちなみに朝ご飯は無難にカフェで済ませました。)
自分は正常運転してなくて、動揺している。という自覚をもって楽しそうな方へ行動するが吉。動揺している人間からは、いいアイディアも、正しい決断力も期待してはならないのであります。
気を紛らわすのに良いかなぐらいの軽い気持ちで入場した博物館の期間展示、が本当に面白くて。
過去50年に制作されたゲームが展示され、かつ遊べるという特別展が開催されていて、懐かしいゲームや最新のVRゲームを体験してきました。
VR体験を楽しんでいる子どもの横で待つ。
もう一度遊びたそうな子どもが、お母さんの顔を見る。
そんなお母さんに「次の人が待っているから駄目よ」と言わせてしまう、おばさんです。私は。
遊んでる途中、HRから昨日話した内容の要約と詳細、このあと起こることが記載されたメールが届いたので薄目を開けて、緊急性のないメールであることを確認しました。
今、ゲームに囲まれて今後のこと考えても仕方ないしね!って。帰ってからきちんと読もうというふうに自分に言い聞かせて、めいいっぱい遊んでから帰路についたのです。
で、HRからのメールの内容を落ち着いてみてから確認すると、重大な間違いを発見。冷静なときに対応すること、大事ですね。
この時、間違いを指摘する前にも、自分の方での確認も確実性を高めたかったので、JustAnswer という、イギリス内の様々な専門分野に精通する人たちに相談できるフォーラムを利用し、雇用系と移民法系の法律家に相談しました。
私は、リストラされたことを、リストラされた当日には近しい友人たちに報告していましたので、夕方ころ、心配した友人が会いに来てくれ、二人でプラプラと近所の公園や小さな湖の周りを歩きました。
(落ち込んだ時、辛い時、湖が近くにあるって、贅沢なことでしょうね。今回に限らず、スコットランドで暮らし始めてから、自然に触れられるところで暮らしていきたいという思いは強まるばかりです。)
こうして、リストラになった経緯や、今まで仕事で感じていた不満や不安を聞いてもらう機会になり、自分の中で、リストラが起きたことに対する、感情の整理を始めることができ、リストラから精神的に立ち直る道のりへと、早くも踏み出すことができたのです。
この日のあとも、多少は右往左往するのですけどね。
右往左往と言うたびに、よく右往左往していたというだけで、当時の私の一番大好きな魚(うお)だった「ほっけ」というあだ名をつけた友人を思い出します。友人はいつでも大切にしたいものです。
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