ゾンビの登場から発展、ルーツを研究している。という人が隣に座りました。
続けて彼女は「公演を控えているので、アメリカの映画史になぞった資料とスピーチ原稿を書いています。」と言います。
リストラ後、人との会話がなさ過ぎて、ライティングクラブに。
リストラされてから、日々の人と交わす会話が減ってしまい、新しい出会いと交流を欲していた私は、Meet upで見つけた近所のライティングクラブに参加することにしました。
ライティングクラブとは、一緒に集まって執筆作業をしましょうという集まりで、人と一緒のほうが集中できるとか、制作物について相談したい人などが参加しています。
評価し合う機会の有無は、集会によりけり。執筆物のジャンルを指定しているものもあれば、ジャーナリストも小説家も歓迎という場合もあります。
参加費も、集会によってですけど、私の街では参加無料のものがほとんど。会場は、広めのカフェやパブであることが多く、飲み物を頼んでね、というケースもあります。
私が参加したライティングクラブでは、
という方針のもとに、多いときでは50名の参加者が集まっているそう。
カフェに到着して、物を書きに来て何をそんなに。というくらい緊張していたのですが、結果的には来てよかったなと、有意義な夜になりました。
自己紹介と目標の共有をする時間。
主催者の若者と同じテーブルに付いた私と他3名が順番に、自信の活動について話し始めました。
主催の若者が「XX王室の、興隆について博士号の論文を書いています。」を皮切りに、今日書こうと思っている人物のエピソードや、引用している資料についてかなり詳しく話してくれました。
(残念ながら私の英語聞き取り能力の限界で、一番肝心の王室名を聞き取れず。しかも、まだ緊張していて、聞き返すこともできなかった。)
「ドラキュラものの小説を書いています。」という次のスコットランド人の男性。彼もまた、今日書こうとしているパートの人物の背景と、物語のプロットで迷っていることについて詳しく話してくれました。
自分のことは、さらっと言う程度、と想像していたので、驚きました。
しかし、これは貴重な機会で、いいですね。というのも、ドラキュラ小説家の彼のドラキュラ像を提示したのをきっかけに、それぞれの持つ、ドラキュラ像の熱い議論に発展したのです。
自分のプロジェクトや考えていることについて、生きた議論をする機会がどれだけあるでしょう。
3人目のイングランド人の男性は「最近書き上げた、禅の指導者の教育についての論文の推敲と、提出用のメールを書きます。」
メールを書きに来るという人もいるのか!彼が、論文審査前の緊張感、不安。先輩博士たちへ助言を仰ぐことの、難しさやなど、私の全く知り得ない世界の経験を話すと、博士論文を書く人と、修士の人がいて、博士あるあるで盛り上がっていました。なんて新鮮な会話だろう。
そして、私の番になり、「英語の知識と高い学力を持っているのに、話すのが苦手だという人に向けた、ウェブメディアをやりたいので、ランディングになる記事を書いている」、と、どきどきしながら打ち明けました。
私以外全員英語ネイティブスピーカーのテーブルで、英語学習に興味を示してくれるとは思わず、気恥ずかしそうな説明になりましたが、「何故そのプロジェクトをやろうとおもっているのか?」「ウェブでやる理由は?」とか「ターゲットオーディエンスは?」とか、結構ぐさぐさ聞いてくれたのが、嬉しかったです。
口に出して説明しようとすると、頭の中で乱雑に考えていたアイディアが整然と並んでいくようでした。
最後に、冒頭に紹介した博士が、次の公演のためのスピーチ原稿を書いていて、その内容の概要を教えてくれました。
アメリカのゾンビ史を興味深く聞き終えて、会社に行って帰って来る日々の中では、ゾンビ博士とは出会えなかっただろうな、とライティングタイム開始前に、この日、参加したことからの収穫を噛み締めていました。
そうして25分✕3回の、ポモドーロ・テクニックを取り入れたライティングセッションは、集中するのに効果的で、予定より多くのコンテンツを書き上げることができました。
何文字書き上げたか伝えると、驚嘆と拍手をもらったんです。でも、日本語は、同じ内容を伝えるのに字数の多い言語だって言うことを言いそびれましたね。
終了後の交流。
その後の、希望者が参加した飲み会でも、互いに自分のプロジェクトを話し合っているなかで、またしても禅を勉強しているという人物に出会います。
この、禅を学ぶ映画プロデューサーに、プロジェクトを立ち上げようと思ったきっかけの、私の親戚の子どもの話をすると、「英語そのものの能力じゃなくて、バリアを問題にしているわけだね」というコメントを貰いました。理解を得られたことが、嬉しくて、そうそうそうそうそうなの!と興奮気味なりました。 新しいアイディアや、自分にない視点と同じくらい、理解や同調は原動力になりますから。
悩んでいるときは、既知のネットワークと同じくらい、新しい出会いから助け舟がくるもんです。これからも、たまに行こう!
リストラされてから、夫と友人以外とはろくに英語で話していなかったのに、まるで久々に乗った自転車と同じように。話が楽しくなってくると英語が出てきて聞き取れるのも、おまけで嬉しかったこと。 自転車は上手に乗れないんですけどね、私。
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