イギリス就労ビザ中のリストラ!突然やってきた最終日、即日退去。

part of a body of an elderly man and behind screen with information that he is not needed anymore しごとの章
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イギリスのIT企業で働きはじめて2年半くらいたった、ある日の午後。

CTOから、「ちょっと話せる?」という連絡を受けて、オンラインミーティングルームに入室。そこには、CTOとHRが。

その瞬間、何が起こるかは悟ったわけですが、答え合わせもほぼ同時。CTOが用意されていたであろう文章をちゃきちゃきと、読み始めました。

リストラがやって来た!

言われたことを要約すると

  • 会社はとても財政的に難しい状況である。
  • 会社の中で私のポジションは不要という事になった。
  • このリストラは私のパフォーマンスや成果とは関係ないので、どうか気を落とさないで。
  • 今日はもうこの後から仕事をしなくていいよ。
  • 今日の終業後にはメールアドレスなどがすべて使えなくなって、会社内のネットワークへのアクセスは禁止されるよ。
  • ガーデンリーブといって、契約上の通知期間分の給与が支払われるけど、働かなくていいよ。
  • それと別にリストラ手当が出るよ。

とのことで、そのあと、なにか質問あるか、とこちらのターン。

しかし、最近アメリカ支社側で雇われたアメリカ人CTOの英語を聞き取れず、状況理解に必死で、質問が思いつかない!

不利にならないように、的を射た質問をしなければ。知っておくべきことを知っておかなきゃ。と、思えたのは翌日のことでした。

万が一に備えて、リストラ通告を受けたときは、以下も確認してください。

リストラ手当の金額の設定基準。
納得のいくまで話せばよかった。後日確認したら間違ってたので、訂正してもらった。

リストラの正当性と削減者選定基準。
ポジションがなくなったと言っておいて、すぐに募集をかけているケースがある。説明責任果たしてもらうことも、条件交渉や、社内再雇用の検討を促すこともすることもできたかもしれない。不当解雇の可能性もあり、裁判になるケースもある。

ビザの残存期間や、その後の会社のスポンサーとしての対応。
イギリスホームオフィスに確認が確実ですが、普通は質問したらアドバイスくらいくれると思う。

思いつく限り、聞き取れなかったところを聞いたり、質問をする時間を稼ごうとしてみたのですが、これ以上場が保たない、というところで、リストラ言い渡しミーティングは終了。ほんの15分の出来事でした。

念を押して、通知期間中はもう働かなくていいの?と確認したときは、少し顔が綻んでしまいました。これからの不安と裏腹に、期間限定の無労働収入が嬉しかったのです。否定はいたしますまい。

もうこのあとは、働かなくてよくて、パソコンも二度とアクセスすることはないのか。
HRシステムから有給の数を確認。パソコンのデスクトップを片付けて。会社内の連絡アプリも入れなくなるから、近しい同僚にだけ速報を飛ばし、連絡先を交換して、退勤処理。

リストラ、Redundancyといいますが。こういうもんだと、噂には聞いてたけどほんとにドライ。
お世話になりましたという機会だととか、今までありがとうとか、別れを惜しんだり労ったりすることもなく、数時間後には、会社の人事システムやコミュニケーションツールにアクセスできなくなりました。在宅勤務だったため、誰にも会わず、静かに最後の日が終わりました。

怒りと不安が後から襲ってきました。

こんなにあっさり、引き継ぎもしなくていいなんて!今日までの取り組みまで無碍にされたような、最初から無かったことにされたような。
言われてもないのに、頭の中が自分をいじめる言葉でいっぱいに。

ポジションがなくなったよって、素直に受け入れちゃったけど、肩書外の仕事もいっぱいやってきたのに、肩書通りの仕事がなくなったからリストラと言われて、悔しい。


もっと理由や今までの業務内容を追求して、リストラ手当の交渉くらいすればよかった。
結婚を報告したタイミングだったので、産休をためらわれたのかな、とか悪い想像もしました。配偶者が居なければ、対象にならなかったんじゃとか。

さらに、偶然にも、知り合いのリクルーターから、会社が新たに求人広告を出そうとしている情報をゲットしてしまう。広告が出れば、不当解雇で戦えるかもしれませんが、前を向いて去ることにしました。

ちなみに、退勤後一目散に転職エージェントに電話をかけました。

実はこのリストラは、タイミングこそ驚きではあったものの、業績や業務内容の変遷から、ありえないものでもないと思っていたので、転職活動をしていました。

この日の朝、転職エージェントから、第2面接まで進んでいた会社は、即日勤務を開始できる他の人に決めたということ。
大慌てで、「私もすぐ始められるのですが!」って電話かけたわけです。

残念ながら、決定は揺るぎないものでした。思えば、嘘も方便、本当にそれが選考から落ちた理由かは、わからないんですけどね。

ああ口惜しや。 

この日の夜は、ほっとしたり、前向きになったり、急激に落ち込んだり、怒りが湧いたり、すべての気持ちが体の中で渦を巻いていました。

際限なく全部吐き出し、自虐発言と会社への恨みつらみを夫にすべて聞いてもらって、家の事もなーんにもしないで、泣きつかれて寝ました。

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